第60回都民体育大会剣道競技を終えて
代表チーム 監督:伊藤 忠
大会当日の夕方「ありがとう」から会食が始まりした。
昨年の都民体育大会剣道競技は、決勝戦で品川区に惜敗し、悔しい思いをしながらも、「あっさり」した感かありました。内容で劣っていた訳でも無く・・・、しかし、何かが足りない、欠けている物があったのです。
ところが、今年の選手は確実に成長していました。昨年のチームから先鋒が代わっただけなのですが・・・。成長といっても、技術・体力の成長だけてはありません。武道に取り組んでいる、「人」としての成長です。
英国の柔道家トレーバー・P・レケット先生の著書に「日本武道の心」があります。其の一説に運動と武道の違いを、技術を高めるところにだけ目的を置くなら「運動」であるが、自らを高める、精神を鍛える事を目的としているのが「武道」である。といった意味の記述が有ります。運動では「科学的なトレーニング」を善とし、寒稽古のような事は否定します。が、しかし、武道では自分白身に挑戦して、苦しい状況の中から精神性を鍛えていくのです。社会の中でも堂々と生きていけるように、その為の寒稽古なのです。
今回の選手皆の戦いぶりは、正に自分自身に挑戦している姿でした。
試合中は声を掛け合い、選手同士がお互いを高め合っている様に感じました。一人一人はそれぞれに明るく、技術に裏打ちされた自信に満ちた姿も見て取れましたが、それよりも試合に真摯に取り組む姿に「武道」を感じたのです。
相手の太刀を避けまわったりせず、場外間際で突き出すような事もせず、正々堂々と戦い、立派な優勝と言えるでしょう。今大会で「武道の精神」を再認識すると共に、感動もいただきました。
その意味から、選手に掛けた言葉が「ありがとう」となったのです。
最後になりましたが、江東区剣道連盟、応援して頂いた皆様、選手の家族の皆様に
もう一度「ありがとうございました」
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